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UCP(Universal Commerce Protocol)とは?エージェンティックコマースの共通言語

UCP(Universal Commerce Protocol)は、Googleが2026年1月に公開したエージェンティックコマースのオープン標準です。解決しようとする課題と購入フロー、AP2・MCP・A2Aとの関係、販売者・D2Cブランド・購入代行にとっての意味を整理しました。

イム・ジュヒョン(Jayden)Feelbetter 代表 · PMP®

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ノートパソコンの画面に表示された分析グラフ
Photo: Luke Chesser / Unsplash

この記事の要点

  • UCPは、AIエージェントと販売者、決済事業者が同じルールで、商品の探索から決済、購入後までを処理できるようにするオープン標準です。
  • Googleが2026年1月11日に公開し、Shopify・Etsy・Wayfair・Target・Walmartが共同開発に参加しました。
  • 販売者は販売主体(Merchant of Record)の立場を保ったまま、一度の連携で複数のAIショッピング窓口とつながれます。

AIに「週末のキャンプ用に2人用テントを、20万ウォン以下で探して買って」と頼む時代が近づいています。ところが、AIエージェントがショッピングサイトごとに個別に接続しなければならないとしたら、この光景は遠のいてしまいます。UCP(Universal Commerce Protocol)は、この問題を解決するために登場した、エージェンティックコマース(AIエージェントによる購買)の共通言語です。

UCPはGoogleが2026年1月11日に公開したオープン標準で、Shopify、Etsy、Wayfair、Target、Walmartとともに開発され、Adyen、American Express、Best Buy、Mastercard、Stripe、Visaなど20社を超える企業が支持を表明しました(Google)。「Universal Commerce Platform」とゆるやかに呼ばれることもありますが、正式名称はプロトコル(Protocol)です。

UCP(Universal Commerce Protocol)とは何か

Googleは、UCPを、商品の発見から購入、購入後のサポートまで、ショッピングジャーニー全体でエージェントとシステムが協働するための共通言語として紹介しています。仕様はucp.devで公開されており、Apache 2.0ライセンスのオープンソースなので、誰でも実装できます。

UCPの基本単位は機能(capability)です。販売者がチェックアウト、カート、カタログ検索、注文イベントといった機能への対応の有無とバージョンを宣言すると、エージェントはそれを読み取り、必要な機能を呼び出します(UCPのコアコンセプト)。

UCPが解決しようとする課題:N×N連携のボトルネック

Googleの開発者ブログは、UCPが狙う課題をN×N連携のボトルネックと呼んでいます。AIショッピングの窓口と販売者がそれぞれ複数あると、販売者は窓口ごとに個別の連携を開発しなければならず、それがエージェンティックコマースの普及を遅らせているというのです(Google Developers Blog)。

共同開発に参加したShopifyも、同じ点を指摘しています。販売者ごとに決済ルール、割引の仕組み、配送オプション、地域ごとの要件が異なるため、硬直的な規格では対応しきれず、必要な機能だけを選んで拡張できる構造が求められていたという説明です(Shopify Engineering)。

区分UCP以前UCP以後
連携方式AIの窓口ごとに、販売者が個別の連携を開発UCP規格に沿った1つの連携で、複数の窓口に対応
機能の確認決済・割引・配送への対応状況を、人がドキュメントで確認販売者プロフィールを読み取り、エージェントが自動で把握
人の介入エージェントが処理できないと、取引が途切れる販売者の画面に引き継いで続行
購入後配送・返品の情報が窓口ごとにばらばらWebhookでステータス更新を標準化
UCP導入前後の違い

UCPによる購入の流れ:探索から注文管理まで

UCPには4つの主体が登場します。ユーザーに代わって機能を呼び出すプラットフォーム(AIエージェント・アプリ)、販売主体として責任を負うビジネス(販売者)、決済手段や配送先といった機微な情報を預かるクレデンシャルプロバイダー(デジタルウォレットなど)、実際の決済を処理する決済サービスプロバイダー(PSP)です(UCPのコアコンセプト)。

  1. 01探索:販売者が /.well-known/ucp のパスでプロフィールを公開し、対応する機能と決済方法を知らせます。
  2. 02機能のネゴシエーション:エージェントは、自らと販売者の双方が対応している機能を確認し、その範囲内で取引を始めます。
  3. 03チェックアウトセッション:商品、数量、配送先、割引を含めてセッションを作成し、必要に応じて修正します。
  4. 04人への引き継ぎ:購入者の入力が必要になるとステータスが requires_escalation に変わり、エージェントは販売者から受け取った continue_url で購入者を引き継いで、手続きを続けてもらいます(Shopify Engineering)。
  5. 05決済:販売者の決済ハンドラーとユーザーの決済手段を突き合わせます。AP2拡張を使う場合は、ユーザーの承認を暗号技術で証明する委任状(mandate)もあわせてやり取りされます。
  6. 06購入後:配送追跡や返品といったステータスの変化が、Webhookで伝えられます。
線でつながれた抽象的な球体
エージェントと販売者、決済事業者を1つのルールでつなぐことが、UCPの核心です。Photo: Mario Verduzco / Unsplash

AP2・MCP・A2Aとはどんな関係か

UCPは既存のエージェントプロトコルを置き換えるのではなく、併用するように設計されています。Googleは、UCPがA2A(Agent2Agent)、AP2(Agent Payments Protocol)、MCP(Model Context Protocol)と互換性があると説明しており、仕様はRESTに加えて、MCPとA2Aをトランスポートとしてサポートしています(ucp.dev)。

プロトコル役割UCPとの関係
AP2エージェントによる決済で、ユーザーの意図と承認を署名付きの委任状で証明UCPの決済ステップの拡張。2025年9月にGoogleが60社を超える企業とともに公開(Google Cloud)
MCPAIエージェントが外部のツールやデータに接続するための規約エージェントフレームワークからUCPの機能を呼び出すトランスポート
A2Aエージェント同士が対話し、タスクを分担するための規約エージェント間のコマース通信に使うトランスポート
ACPOpenAIとStripeが2025年9月に公開した、エージェント向けのチェックアウト標準UCPとは別の標準で、業界では複数の規格が共存(Stripe)
エージェンティックコマースの主要プロトコル

2026年のUCPの広がり:ガバナンスと適用分野

公開以降、UCPは急速に規模を広げてきました。競合関係にある企業までがガバナンスに加わった点は、特に注目に値します。

日付内容
1月11日UCPを公開し、最初のバージョンをリリース。米国の販売者を対象に、AIモード・Geminiアプリ内での決済を発表
4月24日技術委員会を16議席に拡大し、Amazon・Meta・Microsoft・Stripe・Salesforceが参加(ucp.dev)
4月28日StripeがGoogle・Shopifyに続いて運営委員会に参加
5月20日複数の販売者にまたがるUniversal Cart、Affirm・Klarnaの後払い決済を発表。カナダ・オーストラリア・英国への拡大と、ホテル予約・フードデリバリーへの進出を予告(Google)
7〜8月フード・宿泊の技術委員会を設置。DoorDash、Uber Eats、Booking.com、Expedia、Marriottなどが参加
8月25日新バージョンをリリース。3DS2による決済セキュリティ、機能ごとの独立したバージョン管理、食料品の買い物への対応準備
9月25日宿泊予約機能の仕様ドラフトを公開
2026年のUCP主要年表(ucp.devのお知らせ、Googleブログに基づく)

Googleが5月に明らかにした拡大対象国に、韓国は含まれていませんでした。ただし、UCP自体は誰でも実装できる公開仕様のため、韓国国内の販売者やプラットフォームも、仕様をもとに前もって準備することができます。

販売者・D2Cブランド・購入代行にとってのUCPの意味

販売者:販売主体はそのままに、窓口を広く

UCPにおいて販売者は販売主体(Merchant of Record)であり続け、顧客との関係とビジネスロジックを自ら保持します(Google Developers Blog)。Googleの画面と連携する際は、標準のネイティブチェックアウトに加えて、承認された販売者であれば自社の決済画面をそのまま表示する埋め込み方式も選べます(Google販売者向けガイド)。

D2Cブランド:商品データがそのまま売り場になる

エージェントは画面ではなく、データを読みます。商品名やオプション、在庫、価格、配送・返品ポリシーが構造化され、リアルタイムで正確であってはじめて、レコメンドと決済の対象になります。商品詳細ページと同じくらい、商品データの品質が重要になる理由です。

購入代行:代わりに買う仕事に共通ルールが生まれるとき

UCPは、ユーザーに代わって機能を呼び出す主体をプラットフォームと呼び、その例としてAIショッピングアシスタントを挙げています。代わりに探して買うという仕事に、共通のルールが生まれるわけです。それでも、正規品かどうか、販売先は信頼できるか、国境を越える配送と通関が可能か、といった判断までプロトコルが代わりにしてくれるわけではありません。(海外購入代行について詳しく見る)

シナリオ例

UCP対応の販売先で、エージェントがギフトを購入する流れ

  1. 1ユーザーがAIエージェントに「友人の誕生日プレゼントに5万ウォン台のアロマキャンドル、金曜日までに届くもの」と依頼します。
  2. 2エージェントが複数の販売者のUCPプロフィールを読み取り、カタログ検索で条件に合う商品を選びます。
  3. 3チェックアウトセッションを作成したものの、ギフトメッセージの文面が必要なため、ステータスが requires_escalation に変わります。
  4. 4エージェントがユーザーを販売者の決済画面に引き継ぎ、ユーザーが文面を入力したうえで決済を承認します。
  5. 5購入後は配送ステータスがWebhookで伝えられ、エージェントが到着予定日を知らせます。

ユーザーは検索と比較を任せ、販売者は顧客との関係を守り、人の判断が必要な場面にだけ人が介入します。

AIショッピングコンシェルジュFeelbetterがUCPに注目する理由

Feelbetterは、お客様が言葉やリンク、写真で欲しい商品を伝えると、AIがリクエストをブリーフに構造化し、人間のコンシェルジュが国内外の販売先を探して検証したうえで、60分以内に購入リンクをメールでお送りするAIショッピングコンシェルジュです。あいまいなリクエストを構造化された条件に変える仕事は、UCPがエージェントと販売者のあいだで実現しようとしていることと、同じ方向を向いています。

エージェンティックコマースが標準の上で動くようになれば、販売先を探して条件を確認する時間はどんどん短くなります。業界はその方向に進んでおり、Feelbetterも同じ方向を見ています。同時に、このリンクを信頼してよいかを人が確かめることの価値は、いっそう大きくなると考えています。

続きを読むUCP公式のお知らせバージョンのリリースやガバナンスの変更について、原文で確認できます。ucp.dev

よくある質問

UCPはUniversal Commerce Platformの略ですか?

正式名称はUniversal Commerce Protocolです。特定企業のプラットフォームではなく、AIエージェントと販売者、決済事業者がともに従うオープンな通信ルールであるため、プロトコルという名前が付いています。

UCPは誰がつくり、管理しているのですか?

GoogleがShopify、Etsy、Wayfair、Target、Walmartとともに開発し、2026年1月に公開しました。2026年4月には、Amazon、Meta、Microsoft、Stripe、Salesforceが技術委員会に加わりました。

UCPとAP2はどう違いますか?

UCPが探索からチェックアウト、購入後まで、コマースの全プロセスの共通言語だとすれば、AP2は決済の段階でユーザーの承認を署名付きの委任状で証明する決済プロトコルです。UCPは、AP2を決済の拡張として利用できます。

韓国の販売者もUCPを使えますか?

UCPの仕様はオープンソースとして公開されており、誰でも実装できます。ただし、Googleの画面上でのUCP決済は米国から始まり、Googleは2026年5月にカナダ・オーストラリア・英国への拡大計画を明らかにしました。サービスごとの対応国は、公式の案内を確認する必要があります。

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イム・ジュヒョン(Jayden) Feelbetter 代表 · PMP®

2020年に海外購入代行で起業し、現在はAIショッピング・コンシェルジュ Feelbetter を手がけています。流通管理士とPMP®の資格を活かし、コマースとAIのプロジェクトを率いています。

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